安倍内閣を支えたプロパガンダ
安倍内閣倒れちゃいますね。これは自民党の行ったネット上でのプロパガンダがマスメディアに敗北した結果だと思います。
コンピュータープロパガンダはボットで一斉に情報を拡散させる手法で主に twitter などで猛威を奮っていますよね。
業者を使った人海戦術によるネットプロパガンダと、悪名高き自民党ネットサポーターズクラブ、いわゆる「ネトサポ」はクラウドプロパガンダとでも呼ぶべきですかね。
これらのプロパガンダは Youtube、Yahooニュース、ニコニコ動画、twitter、2ch のニュー速+ などで頻繁に目にすることが出来ます。
そしてそれは非常に効果的に機能していたと思います。若年層の自民党人気を支えていたのはまさにこのおかげでしょう。ですが政権崩壊へ向かってしまいました。なぜでしょう?
第一次安倍内閣の失敗
安倍さんは第一次政権で大失敗をしました。
8億円で熊手を買ってどこかへ行ってしまった渡辺喜美ちゃんを行改担当相に任命して公務員制度改革を強硬に推し進めようとしました。天下り根絶とキャリア官僚制廃止、官僚の人事権を牛耳るなんて全官僚を敵に回す誰が見ても無謀な革命をメディアを味方につけることも無く裸一貫でやろうとしちゃったんです。怒り狂った官僚たちは政権の足を引っ張りまくります。年金問題でぶっ叩きまくりです。その結果お腹を壊して安倍しちゃったのは皆さんご存知のところでしょう。
国民の為を思って無茶したのにもかかわらず国民から凄まじい文句を食らいます。相当腹が立ったでしょう。
安倍さんの前の福田さん時代も喜美ちゃんが暴れて官僚に牙をむかれた結果「あなたとは違うんです」っつって政権ポイ捨てしちゃったんですけどね。
官僚を敵に回すとやはり政権は持たない。福田、安倍政権の倒れ方を見て麻生さんは学びました。そして麻生政権では官僚に擦り寄り公務員制度改革が実質ストップします(それに怒りを覚えた喜美ちゃんが衆議院解散要求で与党で唯一人起立をし賛成票をぶち込み自民党を離党した話は恐らく殆どの人が知らないでしょうね)。
実は民主党が先にやっていたネット上でのプロパガンダ
そうしている間に民主党の小沢一郎氏がニコニコ動画等のネットメディアを使ったプロパガンダを始めます。小沢さんはそう言うところに目をつけるのが非常にうまい。さすが選挙のプロです。
さらにメディアも味方につけて政権をひっくり返しにかかります。メディアと言うより恐らく電通ですが。ネットに出遅れて広告が取れなくなっている電通が政治の世界から金を引っこ抜くために活動をし始めた頃でしょ。メディアからは小沢さんはものすごく嫌われているのでメディアを動かすには電通しか無いと思います。メディアからすると小沢さんは敵ですから。記者クラブ潰したくてしょうがない人ですし。
もっぱら小沢一郎という人は官僚の敵でもあります。彼が総理になった日にはバシバシ改革をやられてしまいます。「あんなのが政権取ったらたまらんぞ!」と官僚たちが動いて東京地検特捜部に潰されたわけです。結果無実でしたがそんなこと関係ないです。動かれたら終わり。官僚を本気で敵に回すってのは本当に大変なんですよ。
小沢さんは失脚しましたが民主党はネットとメディアでの広報活動が功を奏して政権をひっくり返しました。
民主党政権になりルーピー鳩山さんになったわけですがいきなりフルボッコを食らいます。記者クラブを無邪気に開放しちゃったんですねぇ。これは日本で培われてきたトップレベルの闇の一つで日本の腐敗の根本原因と言っても良いかもしれません。そこにメス入れちゃって四面楚歌です。政治主導なんっつって官僚を敵に回していたのもダメージソースです。
菅さんも官僚を敵に回していました。そんな折福島の原発が吹き飛びます。菅政権が終了し、官僚の犬と化した野田政権へ移るわけです。
安倍さん学習する
これら一連の流れと民主党政権の暴挙を見て安倍さんは学習しました。
安倍さんは自分のノートにこう書いているはずです。
1. マスメディアを敵に回すべからず
2. 官僚を敵に回すべからず
3. いざとなったらメディアには圧力をかければ黙る
4. ネットメディアでのプロパガンダは有効
5. 何やってもありがたさの分からない国民よりもそのありがたさをわかってくれる金持ちと大企業を中心に考える
6. 国民は馬鹿だからある程度の無茶は OK!
これらを赤ペンでグルグルと何重にも輪っかを書いて確認したはずです。おかげで第二次安倍内閣出だしの好調さは凄まじいものがありました。
内閣人事局が出来て調子に乗りすぎる
ところが今や森友学園・加計算学園、このハゲーー!ちがうだろぉー!、稲田防衛大臣とネタ満載で目下大炎上中です。急に逆風吹き荒れています。お陰で都議選は歴史的大惨敗。仙台市長選も敗北。
何故??
政権の出だしは官僚の言う事をきっちり聞いていたんです。消費増税も聞き入れ 2014年4月 に 8% に上げました。
ただ、2014年5月、官僚にとっては地獄の閻魔様よりも恐ろしい「内閣人事局」が設置されます。これは官僚の上層部の人事を全て内閣が掌握する官僚にとっては悪夢のような仕組みです。それまでは各省庁の上層部の顔色を伺っていればよかったものがこれまでの努力が全てリセットされた上にコロコロ変わりやがる政治家の顔色を伺わなきゃならなくなったのです。
これは喜美ちゃんが残した公務員制度改革のコア要素の一つが炸裂した形になります。安倍さんはメディアをしっかり抑えていたので官僚の悪あがきをしっかりガードしてぶちかますことができたんですね。
メディアの掌握と官僚の掌握、このお陰もあって財務省の消費増税圧力を跳ね除け、消費税 10% 延期を旗印に掲げ 2014年12月解散総選挙で大勝利を収めます。
ここで随分と気が大きくなっちゃいます。決して忘れちゃいけないから帳面にメモったであろう
1. マスメディアを敵に回すべからず
2. 官僚を敵に回すべからず
を忘れてしまうんですねぇ。
メディアを敵に回すの巻き
安倍さんはメディアの大ボスを敵に回してしまいます。電通です。
ブラック問題で電通は厚労省から強制捜査を受けます。そしてなんと 2016年12月に社長を辞任にまで追い込んでしまいました。
何故こんなことになったか?
官邸には電通のプロジェクトチームが組まれてスピン・コントロールやプロパガンダを行っています。そこでは優秀な若手電通社員たちが馬車馬のように働いています。
これは予想ですがそんな若手たちが「働き方改革」に取り組んでいる安倍さんに「うちの会社酷いんすよーーこき使われまくりですよ。そりゃ自殺者も出ますって。働き方改革なんて言ってるんだから、先にこっちをどうにかしてくださいよーー。」なんて常々ボヤいていたんでしょう。それかその働き方を見ていてどげんかしちゃらなイカンと思ったか。
そこで安倍さん「よーしどうにかしちゃる」と厚労省にお電話差し上げたか、逆に厚労省側から「安倍さん電通の自殺の件どうします?」って言われて「よしやれ」司令を出したんだと思います。
厚労省が人事権を握っている内閣に断りも無しに電通へ攻め込むことはありえないでしょう。官邸が絡んでいるなんてことは攻め込まれて親方の命を討ち取られた電通側もしっかり分かっているはずです。
若手たちは「ブラックじゃなくなる!やった!飲みに行こうぜ!ありがとう安倍さん!!」なんて事言って喜んで安倍さんもホクホク顔でしょうが、電通上層部の怖い大人たちの目は怒りで赤く不気味に輝きます。
安倍政権を討ち取れと言う人、安倍政権なんてもう知るか勝手に散れと言う人様々いたと思います。政権を守ろうとしているのはブラック環境を改善してくれたと喜んでいる若手のみ。勝てるワケ無いです。しかも労働時間守るためにさっさと帰るんで工作活動もおざなりになります。ますますダメです。
こうしてメディアが敵に回りました。
官僚を敵に回すの巻き
電通の社長を辞任に追い込んだ直後 2017年01月 今度は文科省天下り問題で今や時の人前川前事務次官を辞任に追い込みます。
元々安倍さんは天下り撲滅派です。なので当然な流れではあります。人事局も出来たことだし霞が関では比較的弱い部類の文科省から行っちゃえと。
文科省なら叩いてもホコリはあまり出ないだろうとタカをくくっていたのでしょう。
今まで何やったって世間様に騒がれる事が無かったのは電通の傘のおかげなのに、その傘の強さを舐め散らかしてもいたのでしょう。
あれだけ反省したはずなのに結局官僚とメディアと言う巨人を再び敵に回してしまいました。結果は皆さんご存知、爆発的に週刊誌ベースで情報が溢れ出し、それをTVや新聞でガンガン拡散しまくります。パターン入りましたーー!
こうなったら終わりです。