強まっていこう

あっちゃこっちゃへ強まっていくためのブログです。

下町ボブスレーの失敗から見る日本のモノづくり凋落

色々調べれば調べるほど残念ですな、この件は。そら失敗するだろと。

まずもって最初の動機が「カーボンファイバー使ってオリンピック目指したい」と言うところから始まってボブスレーはたまたまそのターゲットになっただけと言う。

ボブスレーに関してど素人のくせして、外国産のソリを分解して「こんなもんか」となめ散らかした態度で作り始めてますからね。

しかもプロジェクトの進行させかたがとにかく酷い。

固定概念に囚われたくないと言う理由でルールブックも読まず設計してますから。ルールブック読むのが面倒くさかっただけだろお前、的なね。

すんげぇてけとーな状態で設計してその図面をおっぴろげて町の工場の連中集めて

「作れるものの図面持っていって。夢の実現のためだから無償でお願い。納期は2週間ね。」

とまるで冗談のような「丸投げ」「無償」「短納期」と言うどんな酷い IT でもそこまでは無いだろと言うレベルでの鬼畜っぷり。

設計図には「材質 ゴム」みたいなことしか書いてなかったりしてゴム工場の社長に「ゴムっつってもいろいろあんだよ」とボヤかれる始末。

こんなありえないレベルのぶん投げでまともなもの出来ると思う方がどうにかしてるでしょ。

でも10日で出来たんですって。しかも一発組み上げで。

そんなおっかないもんに乗せられる選手の気持ちは、桜花か回天、震洋に乗せられる搭乗員の気持ちと同じでしょうね。

一番おっかないのは、こんなクソみたいな発注をしたバカタレが自慢げにこれらを語っちゃってるところですよ。

どんな脳みそしてるんでしょうか・・・。

こんなもんそりゃレギュレーション通りませんよね。ルールブックすら読んで無いんですもの。

日本チームからは

「押しにくい」「乗り込みにくい」「振動が激しい」「反応が悪い」と散々な評価ですよ。

「せめて設計の段階で相談して欲しかった」とか言われてますからね。そらそうでしょう。

一号機のデータ紛失しカンで二号機作ったりね。ありえないでしょ。白紙化ですからね1発目を。

設計図では楕円だった部品が出来上がったらひし形とかあったんですってよ。

もう工場のモチベーションは地面がえぐれてマイナス側の富士山が出来るぐらいになってたんでしょうね。何を信じていいか分からない的な。これは IT でも良くありますね。

2年がちゃがちゃやった結果結局日本チームに不採用食らいますから、どんだけ酷いんだと。

その当時の町工場から怒号が聞こえてきますよ。

「何回修正すりゃ良いんだよ!設計ちゃんとしろよ!!ぶち転がすぞボケ!!!」

これも IT でよくあるよくある。SIer はむしろコレばっかでしょ。

ぐちゃぐちゃになっている間に変なバグが入って結局開発陣のせいにされるやつですよ。

日本チームには蹴られますが、ジャマイカチームを無償提供を餌に釣り上げるんですな。

ただし!平昌五輪で使わなきゃ1台あたり6800万円の違約金を請求すると言う無茶苦茶な契約書付きでね。

無料提供からの違約金ビジネスですわ。いい加減この商法取り締まりましょうよ。世界中に恥晒しまっせ。

ジャマイカチームに使ってはもらいますが結果は芳しく無いようで、ドイツのワールドカップで輸送機関がストライキしちゃって下町ボブスレーが現地に到着しなかったんです。

その場しのぎでラトビア製のソリで走ってみたらタイムがバキッと伸びて7位に入ったんですって。

後から調べてみると下町ボブスレーと比べると2秒も速いという。ボブスレーって速いんで距離だと70m以上違ってきちゃうんですね。

結局ジャマイカチームからも不採用通知を頂いちゃいます。

理由は「遅い」「安全でない」「1月に行われた2度の機体検査に不合格だった」「五輪でも失格の恐れがあった」ですって。

これ、普通の人が見ちゃうと下町の工場が悪そうに見えるでしょ。イメージ最悪ですよ。

でも工場はひたすら可愛そうなだけですよ。コレで有名になれる!と釣られて、クソな設計に悩まされつつ手出しで開発してますからね。

1号機はソリの設計・材料費で1800万円かかったらしいんですけど、そのうち1000万円は大田区の新製品新技術補助金、つまり税金で、その他800万は町工場が負担したらしいです。町工場が手を動かした加工費とは別に、ですよ?

損して得取れのつもりが、損して大損を取っちゃうという・・・。ひどい話もあったもんですよ。

これ下町ボブスレーとか言ってますけど、実のところ巨大プロジェクトですからね。スポンサーは伊藤忠ANA東芝ひかりTVを筆頭に信用金庫含んで20社以上のスポンサーが絡んでます。

広告代理店も絡んでいるんでしょう。

結果も出ないうちから、グッズ、書籍、ドラマ、漫画、道徳の教科書まで下町ボブスレーを展開していますからね。このつながり方にはほとほと呆れ果てます。

ネットでの宣伝には SNS だ!と言う短絡思考で公式ツイッターにも絡んでいますね。フォロワー数が 2983 でフォロー数 3436 と言うフォローしまくってフォロワー増やす大戦法ぶちかましてます。

明らかな広告をぶち込んだり、謎に韓国をバッシングしたりとかもうむちゃくちゃなんですよ。一度見てみてください。あまりの酷さにびっくりしますよ。担当者がガキンチョなんでしょう。ネガティブキャンペーンにしかなっていません。担当者を今すぐ小学生に変えるべきです。変な差別意識が無い分その方がマシです。

広告屋にはそりゃ補助金からスポンサー料金からガンガン転がり込んできてウハウハなんでしょうが町工場は本当に悲惨です。

そんな中凄いのはこんな官民一体化国家ゴミボブスレーを打ち負かしたラトビアボブスレーですよ。

ボブスレーの代表選手含む6人で作ったんですって。そのお値段300万円。しかも代表選手が怪我をして飲んだくれているところをボブスレーを作ってみろと声かけられて奇跡の復活劇と言う、まさに映画化状態。

一方日本は利権まみれのクソまみれ。制作費 7000万円で、基本無料だけど解約しちゃうと 2億7000万円払う必要のある欠陥品。

契約違反したジャマイカチームを訴訟するんですって。損害賠償請求というね。何の損害なんでしょうか・・・。オリンピック後のウハウハ収益がぶっ飛んだ分が損害なんでしょうけど。

日本のダメなところを煮詰めたみたいな非常に悲しい出来事でした。日本という国はどこへ向かうのやら。